富士通エフサスはこのほど、福島県と、県内の繁殖農家の営農再開を支援するための実証実験を開始した。

 福島県では、東日本大震災後の原発事故に伴う避難指示などにより、住民の帰還が進まず、農業従事者の担い手不足や飼養頭数の減少が進行し、営農再開を阻む大きな要因となっていた。



 本実証実験では、県内有数の畜産地帯であった阿武隈地域の農場において、発情監視装置、分娩監視装置、個体監視装置などのICT機器を導入し、各装置と繁殖和牛の個体情報の連携ならびに装置から収集したデータの蓄積・分析を行う「個体一元管理システム」を構築した。これにより、農業従事者のシステム操作の負担軽減を図りながら、蓄積したデータに基づく飼養管理や遠隔地からの繁殖和牛管理の実現性を検証する。



■ 目的

ICTを活用した繁殖和牛の生育管理や遠隔地からの農場管理の実現性などを検証する。

■ 実施期間

2018年10月7日 ~ 2019年3月31日(予定)

■ 実施内容

(1)農場におけるICT機器の導入

・繁殖和牛にセンサーを取り付け、行動量の情報を収集・分析することで、効果的な発情発見や早期の異常検知が可能に。(発情監視装置)

・分娩房にモーションカメラを取り付け、分娩房に入った繁殖和牛の行動分析・監視を行うことで、より正確な分娩予知と、その後の分娩事故などの未然防止が可能に。(分娩監視装置)

・遠隔カメラで牛舎全体を監視し、離れた場所からでもスマートフォンやタブレット端末などを通して内部の確認や早期の異常発見が可能に。(個体監視装置)

(2)「個体一元管理システム」の活用

・個体情報の一元管理が可能になり、農業従事者の大幅な負担軽減を実現。

・データに基づいた飼養管理により、勘や経験に頼る農業からの脱却を図り、新規就業者の獲得にも寄与。

・JGAPに準拠したチェックシートを実装し、安心・安全な繁殖和牛の飼育を支援



 本実証実験が成功すれば、より正確な発情発見による繁殖成績の向上や分娩予知による事故の防止、疾病の早期発見による損耗防止が見込まれ、大規模繁殖農場経営体の育成や収益性の大幅な向上が期待される。さらに、遠隔地からでもスマートフォンやタブレット端末を用いて農場管理が可能になることで、農業従事者の皆様の負担軽減が図れ、担い手の減少傾向にも歯止めをかけることが期待される。

 また、本システムには、JGAPに準拠したチェックシートも実装しており、本システムを活用することで、安心・安全な繁殖和牛の飼育が可能になる。



 富士通エフサスは、本実証実験の成果を踏まえ、今後も福島県における畜産業の復興を継続的にサポートしていくとともに、最先端のデジタル技術を駆使し、国内における畜産業のさらなる発展に寄与していく。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 富士通エフサス:福島県と繁殖農家の営農再開を支援する実証実験を開始