デンソーテンでは、自動車産業で急速に進展する「CASE」(Connected・Autonomous・Shared・Electric)の動向を着実に捉えつつ、グループ各社の情報・通信技術を駆使した「Vehicle-ICT」に取り組んでいる。あらゆるクルマがネットワークにつながる時代を見据えたコネクティッド事業への取組強化もその一環だ。

 1950年代にタクシー用無線機を納入して以来、1996年に自動配車システム、2003年にデジタル配車システム、2015年にクラウド型配車システムを納入するなど60年以上にわたりノウハウを蓄積し進化を遂げてきたタクシービジネスにおいてもコネクティッド事業への取り組みを強化している。



 その一環として、このたび、販売子会社であるデンソーテン販売がタクシー予約・配車アプリケーションの海外相互利用を可能にするAPI(※)を開発した。日本と海外、双方のアプリユーザーが各々の国・地域あるいは生活拠点とする国・地域において使用する予約・配車アプリをそのまま相手国・地域で使用して現地でサービスを受けられる、いわゆる海外ローミングはタクシー業界において極めて珍しいサービスだ。



 まず、日本と台湾の大手タクシー事業者で、2018年8月6日に業務提携された、大和自動車交通と台湾大車隊股份(台湾大車隊)が実施されている実証実験に採用された。



(※)Application Programming Interfaceの略。あるソフトウェアの機能や管理するデータなどを、他のソフトウェアから呼び出して利用するための手順やデータの形式などを定めた規約(仕様)。これにより、あるソフトウェアの機能やデータの共有が他のソフトウェアでも可能になる。

言葉が通じなくても容易な移動を実現~日本と台湾で実証実験に着手~

 実証実験は、双方のホームページを通じて相手国・地域の観光地周遊タクシーや空港送迎タクシー、ならびに双方のタクシー予約・配車アプリを通じて相手国・地域の予約・配車サービスを提供するもの。

 デンソーテン販売は、①大和自動車交通のユーザーに台湾大車隊、②台湾大車隊のユーザーに大和自動車交通のサービスを利用してもらう際に必要な双方のアプリをつなぐAPIを開発。①に関する実証実験を9月1日から開始した。②についても年内に開始する予定。



 旅行や仕事などの目的で日本と台湾を行き来する人々は増加の一途を辿っている。しかし、それぞれ、タクシーに乗車しても言葉が通じず行先を正確に伝えられなかった、といったような困り事も散見される。

今回開発したアプリに「乗車場所(迎え先)」「行先」を登録すれば、言葉が通じなくても希望する場所への移動が容易になる。「乗車場所(迎え先)」はスマートフォンのGPS機能による特定、行先はリストから選択、あるいは地図上での検索を利用すれば簡単に設定できる。

 日本から台湾へ渡航する人が大和自動車交通のアプリで配車を依頼した場合、APIを経由して台湾大車隊の配車システムよりサービスを受けられる。本アプリにより移動に関する障壁を緩和することが期待されている。

「クラウド型タクシー配車システム」を核に多彩なラインアップを提案

 デンソーテングループでは、優れた技術力に裏打ちされ、高いシェアを誇るタクシー配車システムにおいて、日々データが蓄積されている「クラウド型タクシー配車システム」を核に、スマートフォンのアプリケーションや、タブレットなど様々な車載器も絡めた多彩なラインアップを整え、新規ならびに更新ビジネスの獲得を目指していく。本プロジェクトにおいても、実証実験を通じて、顧客とタクシー事業者ならびに乗務員の満足度向上に貢献できるよう、さらなる技術開発に努めていく。

情報提供元:MotorFan
記事名:「 デンソーテン:コネクティッド事業をタクシービジネスでも強化