道なき道を行け!

JEEPフルラインアップオフロード試乗記

日本での販売が好調に推移しているJEEPブランド。そのJEEPフルラインアップオフロード試乗会が長野県白馬村で開催された。最強オフローダーのラングラーを筆頭に、グランドチェロキー、チェロキー、コンパス、レネゲードも勢揃いし、冬の間はスキー場だという最大斜度30度の急斜面に挑戦した。本領発揮なるか!


新型コロナウイルス感染症は、日本社会に多大な影響をおよぼしている。輸入車市場も例外ではなく、2020年上半期の海外メーカー輸入車の販売台数は、前年比24・6%減と大幅に落ち込んだ。そうした逆風のなか、ジープの同期業績は前年比プラス、しかも過去最高(!)を記録したという。

FCAジャパンは、そんな絶好調のジープを一堂に集めて「JEEP ADVENTURE at HAKUBA」と銘打ったメディア向け試乗会を開催した。

試乗コースとなったのは長野県の白馬さのさかスキー場のゲレンデそのもの。斜面にもちろん雪はないが、滑りやすい草に覆われており、最大30度に達する急坂コースである。しかも、他車とのニアミスを防ぐために走行ルートは一応定められているが、とくにダウンヒルについては「コブはあるが大きな岩などは除去されているので、基本的にどこでも自由に下ってください」という太っ腹……というか、いかにも自信たっぷりの試乗メニューが印象的だった。

今回用意された試乗車は、レネゲード、チェロキー、そしてグランドチェロキーの各「トレイルホーク」グレードに、タイヤだけ悪路性能を高めたテレーンタイヤを履かせたもの、そしてジープブランドのカリスマ的存在といえるラングラーだった。

トレイルホークとは、ジープでもとくに高い悪路走破性を与えられたグレードの名称で、ボディに「TRAIL RATED(=トレイルレイテッド)」というバッジが貼りつけられる。同バッジはジープが伝統的にテストコースとして使ってきた「ルビコントレイル(米ネバタ州からシエラネバダ山脈を越えてカリフォルニア州に伸びる全長22マイル≒約35㎞の道」において独自の過酷な悪路性能試験に合格したことを意味する。

ちなみに、ラングラーにだけトレイルホークグレードの用意がないのは、ラングラーは全モデルが最初からトレイルレイテッドだからだ。

今回はジープという世界一のオフロード名門ブランドの、とくに悪路性能の高いモデルが集められているわけで、私のような普通のドライバーがちょっとその気になったところで、人間よりクルマの限界のほうがはるかに上をいく……のが正直なところだった(汗)。

よって、どのジープも4WDを最も走破性の高いモードにセットして、下り坂でヒルディセントコントロールを作動させるだけで、たとえ全身が硬直してしまうような急勾配でも、何ごともなかったかのようにクリアしてくれた。

とはいえ、非日常というほかない大きな凹凸やうねりに連続して蹴り上げられる今回の試乗コースでは、レネゲード、チェロキー、グランドチェロキーといった四輪独立サスペンション車はすべてをサスストロークで受け止め切れずに、クルマ全体がしぱしば大きく揺れた。

しかし、こんな状況(あるいは、ラングラーにだけ許された超過酷なダウンヒル)でも、ラングラーだけは上屋がフラットに保たれる。それはバネ下が上屋から切り離されたかのように大きく伸び縮みする前後リジッドサスならではの効能が存分に発揮されたからだ。舗装路では四輪独立サスのほうが圧倒的に快適だが、極限状態では昔ながらのリジッドにかなうものはない……とあらためて気づかされた。

私も日常生活で今回のような悪路を走る機会など皆無といっていいが、こういう経験をすると「どうせSUVに乗るならジープ一択でしょ」と洗脳されてしまう。昨今のジープの好調は、一度ハマったファンが離れないおかげもあろうが、その気持ちはよく分かる。

試乗会場は、長野県白馬村の「さのさかスキー場」。夏のこの時期は、草が身長以上に伸びている箇所もあり、道が見えない。というより、そもそもスキー場の斜面そのものなので、道など存在しないのだ。


車載傾斜計によるとこの日の最大斜度は、下りの31度! 壁のような急坂で、ジープ、もしくは他の極めて特別な車種以外では、ちょっと立ち入りたくない場所だ。

車内からの景色。ウインドウを覆う草を掻き分けて進むと、前走車の走ったワダチがあったり無かったり。まさに、ジープでないと体験できない走りだ。

ラングラーに比べると、ボディサイズもスタイリングもずいぶんと可愛らしい印象のレネゲードだが、こうしたステージを走れば、しっかりジープの一員であることが実感できる。

Jeep
Wrangler Unlimited Rubicon

オフロード性能をさらに磨き上げたのがルビコンだ。フロントスタビライザーを解除し、より路面追従性を高める「フロントスウェイバーディスコネクトシステム」はルビコンだけの装備。

【SPECIFICATION】
価格:612万円
サイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1850mm
エンジン:V6 3.6L
パワー:284ps/6400rpm
トルク:35.4kgm/4100rpm

Jeep
Grand Cherokee Limited

国内導入のジープブランドにおける最上級モデル。高い悪路走破性を持ちつつ、ゆとりある室内空間と、上級感ある内装から、シリーズ中最もラグジュアリーな雰囲気を醸し出す。

【SPECIFICATION】
価格:659万円
サイズ:全長4835mm×全幅1935mm×全高1805mm
エンジン:V6 3.6L
パワー:290ps/6400rpm
トルク:35.4kgm/4000rpm

Jeep
Wrangler Unlimited Sahara 2.0L

ジープの顔として、圧倒的な支持を受けるのがラングラーだ。フルモデルチェンジで近代化しても、他車にない圧巻の走破性と独自のスタイルは不変。サハラはV6 3.6Lも選べる。

【SPECIFICATION】
価格:590万円
サイズ:全長4870mm×全幅1895mm×全高1845mm
エンジン:直4 2.0Lターボ
パワー:272ps/5250rpm
トルク:40.8kgm/3000rpm

Jeep
Renegade Trailhawk

ジープのボトムレンジを担うレネゲード。ジープらしいスタイルと街乗りしやすいコンパクトボディが人気。トレイルホークは、唯一の四駆グレードで、高出力、9AT搭載の本格派。

【SPECIFICATION】
価格:387万円
サイズ:全長4255mm×全幅1805mm×全高1725mm
エンジン:直4 1.3Lターボ
パワー:179ps/5750rpm
トルク:27.5kgm/1850rpm

スタイルワゴン2020年9月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]

情報提供元:ドレナビ
記事名:「【間違いなく街中で増えているクルマといえば】今乗ったら絶対注目! JEEPブランドのフルラインアップ試乗記