3月も半ば、春の気配は寒さと暖かさをくり返してやって来ます。散歩道にも花の気配が多く見られるようになりました。木の枝の芽もふっくらと赤味を増しているようです。木々も春のきざしに応えているのでしょう。春になると逢いたくなるのが菜の花畑です。一面に咲いた黄色の花が風にゆられている景色を見ると、少々寒くてもなんだか心が温かくなって、元気が出てきますよね。
春の歌としても歌われている菜の花を、身近な生活の中で楽しんでみませんか?


菜の花畠に入り日薄れ 見わたす山の端 霞ふかし…

この歌のような景色を見たらどんなに心癒されることでしょう。思わず口ずさみたくなる歌はやさしく穏やかなメロディです。黄色は信号では危険を表しますが、鮮やかな色が目を引くからかもしれません。緑のなかでは黄色が輝きを増し、木々の緑もいっそう活き活きと見えてきます。菜の花は裏作として冬の間お休みしていた水田や畑に植えられてきました。春の菜の花畑の華やかさは、これから始まる稲作や野菜の栽培を祝っているようにも思われますね。
菜の花はアブラナ(油菜)ともいわれ、畑から間引いた若菜は食用とされ、種は絞って菜種油となりました。昔から食用の他にもさまざまな生活に重宝されてきたのです。
身近にあって、人々の生活を支えてきた菜の花。お天気の良い日は、菜の花を探しに散歩に出てみませんか?線路際の土手や、なにげない空き地に見つけることができますよ。

菜の花畑

菜の花畑


菜の花は春の味覚!鮮やかな緑の葉と茎を美味しくいただきましょう

八百屋さんやスーパーで菜の花を見かけるようになると、筆者が食べたくなるのがパスタです。
定番のおひたしや胡麻和えも美味しいのですが、菜の花の色を思いっきり楽しみたい時は、パスタに限ります。味付けはシンプルに塩とレモン、オリーブオイルがオススメです。
固めの茎と柔らかい葉を別々にして、火を通す時間に差をつけることで美味しく鮮やかに仕上がります。葉と花の部分を別にした茎は、太さをパスタと同じくらいに縦に切り、パスタが茹であがる少し前に鍋に投入して30秒くらい一緒に茹でます。
茹で上がったパスタをフライパンに入れ、塩とオリーブオイル、お好みでニンニクを入れてあえる際に、葉と花を入れます。最後にレモンを添えて出来上がりです。開いている花は取っておいて最後にトッピングしてもいいですね。ほんのりとした春の苦味が、冬から春へ身体を目覚めさせてくれます。のんびりと過ごすお休みの日のランチにぜひ!

菜の花パスタ

菜の花パスタ


菜の花畑も素敵だけれど… お部屋でも楽しみたい!

花より団子、とばかりに美味しくいただいた菜の花ですが、お部屋に飾るのも可愛いものです。
食材ですから、あえて皿に活けて色鮮やかな椿と組み合わせてはいかがでしょうか。ガラスのコップにちょこんと差すのもいいかもしれません。透明なガラスを通した光の輝きが部屋を明るくしてくれそうです。どんよりとした曇り空も菜の花があれば明るく感じられそうですね。
最後に菜の花がモチーフになった小説『菜の花の沖』をご紹介します。題名は可愛らしいのですが、司馬遼太郎の長編歴史小説で江戸時代の終わりに廻船業を興し、開拓者となった高田屋嘉兵衛のなかなか骨太の物語です。興味が湧きましたら、こちらの菜の花もお部屋で楽しんでいただければと思います。