■すららネット<3998>の業績動向

1. 2019年12月期(実績)
(1) 損益状況
2019年12月期の業績は、売上高1,141百万円(前期比22.0%増)、営業利益64百万円(同68.1%減)、経常利益65百万円(同70.6%減)、当期純利益43百万円(同68.1%減)となった。重要な指標である導入校数(2019年12月期末)は1,056校(前期末比116校増)、ID数(同)は69,967 ID(同9,157 ID増)と順調に増加し、増収となった。一方で先行的な投資が増加したことから営業利益は前期比で大幅な減益となったが、これは期初から計画されていたことで、結果は期初予想(72百万円の営業損失予想)を上回り営業利益を計上した。期初予想を上回った主な要因は、開発費用が予算を下回ったこと、人員の採用が一部2020年12月期へずれ込んだこと、元々経費を多めに見積もっていたことなどによる。このため、今回の決算は概ね想定に沿った結果と言える。

市場別の増収寄与では、学習塾が68百万円増となったが、これは地方大手塾、放課後等デイサービスの伸長による。学校は42百万円の増加となったが、主に通信制高校、地方の公立高校などでの採用増が寄与した。注力しているBtoC向けは、TVCMやWeb広告の効果に加え、不登校対応ICTとして知名度が向上し91百万円の増収となった。

営業利益の増減要因は、売上高の増加により205百万円増、売上原価の増加(主にBtoC売上増に伴う「すらら」コーチへの支払い増)により36百万円減、広告宣伝費の増加(主にBtoC向けTVCM)により164百万円減、役員報酬の減少により9百万円増、人件費・旅費交通費の増加により70百万円減、その他費用増(主にオフィス移転に伴う費用増、業務委託費の増加)により81百万円減となった。

(2) 主要指標(KPI)の推移
2019年12月期末の各市場での主要指標は、導入校数は1,056校(前期末比116校増)となったが、内訳は、学習塾が831校(同74校増)、学校が183校(同29校増)、海外が42校(同13校増)であった。また最も重要な指標であるID数は69,967 ID(同9,157 ID増)と順調に増加したが、内訳は学習塾が18,149 ID(同2,911 ID増)、学校(ID課金)が33,476 ID(同4,216 ID増)、学校(校舎課金)が13,104 ID(同819 ID増)、海外が2,401 ID(同153 ID増)、BtoCが2,349 ID(同1,227 ID増)、その他が488 ID(同169 ID減)であった。

主力である学習塾、学校(ID課金)、BtoCのID数が順調に増加した。BtoCの伸びが特に大きかったのは、2017年春にリリースした学習障害児用の教材が小学校低学年向けに増加したことが主要因である。また、その他は継続的に減少しているが、NPO法人向け等の古い形態での事業であるため業績への影響は小さい。

(3) 財務状況とキャッシュ・フローの状況
2019年12月期末の財務状況は以下のようになった。総資産は前期末比5百万円増の1,033百万円となったが、主に現金及び預金の減少79百万円、売掛金の増加21百万円、ソフトウエア開発に伴う無形固定資産の増加53百万円などによる。負債は同37百万円減の142百万円となったが主に未払法人税等の減少51百万円などによる。純資産は同43百万円増の891百万円となったが、主に当期純利益の計上による利益剰余金の増加43百万円による。

また、2019年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは50百万円の収入となったが、主な収入は税引前当期純利益64百万円、減価償却費92百万円などで、主な支出は売上債権の増加21百万円、未払消費税等の減少21百万円などによる。投資活動によるキャッシュ・フローは130百万円の支出であったが、主にソフトウエアを中心とした無形固定資産の取得による支出122百万円による。財務活動によるキャッシュ・フローは93千円の支出であり、ほぼゼロであったと言える。

この結果、2019年12月期の現金及び現金同等物は79百万円の減少となり、期末残高は533百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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情報提供元:FISCO
記事名:「すららネット Research Memo(5):2019年12月期の営業利益は期初計画を上回り64百万円を確保(1)