以下は、2021年1月にフィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである小林 大純氏が、対談形式にて2020年のマザーズ概況と今後の展望ついて解説したものである。全5回に分けて配信する。

橋本:
それではこうした決算の注目点を踏まえたうえで、マザーズ先物を活用するメリットについても解説して頂きましょう。小林さん、宜しくお願いします。

小林:
はい、マザーズ先物を活用するメリットとして、少額から手軽に取引できること、少額の元手でも大きな額の取引が可能で、効率の良い投資ができること、現物株の取引ができない時間帯でも対応可能なこと、売りからも入れる柔軟な戦略立案が可能であることの4つが挙げられます。

順を追ってみていきたいと思いますが、その前にマザーズ指数への影響が大きい銘柄の一覧をご覧下さい。マザーズ指数はマザーズ市場に上場する全銘柄を対象とした株価指数で、その構成比率は時価総額によって決まります。1点注意して頂きたいのは、この時価総額は浮動株比率を考慮したものになっているので、先にお見せした時価総額上位の表とは顔ぶれや順位がやや異なっています。メルカリやフリーといった銘柄の株価が大きく動くと、マザーズ指数に与える影響も大きいと言うことができます。

橋本:
なるほど、このことを念頭に置いてマザーズ先物を取引する必要がありますね。ではマザーズ先物活用のメリットについて詳しく教えて下さい。

小林:
はい、まず「小額から手軽に取引できる」という点です。先ほどお見せした表に記載したとおり、マザーズ銘柄には有望なものが多いとはいえ、最低投資金額が100万円を超えるようなケースも少なくありません。一方、マザーズ先物の方を見てみましょう。1月21日のマザーズ先物終値は1279ptです。マザーズ先物の最低単位は1枚から、先物価格の1000倍単位からの売買となるので、例に挙げたように127万9,000円からということになります。ただ、実際に取引する際はこの金額全てを用意する必要はなく、証拠金という小額の金額を用意すれば始めることができます。1月21日時点のマザーズ先物取引の証拠金は12万2,000円です。つまり、時価総額上位のマザーズ銘柄を現物株で取引しようとすると数十万円から場合によっては100万円以上必要なのに対し、マザーズ先物は12万円程度という金額から取引できるという手軽さがあるのです。
そして、これが2点目の「大きな売買代金で効率の良い投資ができる」にもつながってきます。マザーズ先物は12万2,000円という証拠金を用意するだけで127万9,000円の取引ができるわけですから、およそ10倍というレバレッジがかけられるのです。現物株の信用取引は預けた担保評価額の最大3.3倍程度までの取引となるため、マザーズ先物取引は資金効率がより高いと言えます。
実際、マザーズ指数の大幅上昇が始まった昨年3月以降、マザーズ先物の取引高は大きく増加しました。個別のマザーズ銘柄に代わり、マザーズ先物を通じて新興株・マザーズ市場に対するエクスポージャーを保有するようになった方が増えてきていると考えられますね。

橋本:
新興企業の将来性に小額から投資できるのは魅力的ですね。

小林:
はい、そして3点目の「現物株の取引ができない時間帯でも対応可能なこと」についてです。先物は現物株の取引が行えない夕方4時半(16:30)から翌日の早朝5時半までの間も取引を行うことが可能です。これにより、現物株の取引終了後に多くある決算等の会社発表、また夜間の米国発ニュースを受けていち早くマザーズ先物取引で対応することができるのです。個別企業に関する材料でも、先ほどお見せしたマザーズ指数への影響が大きい銘柄ならマザーズ先物の代替性は高いと考えられ、積極的な活用を検討されてはいかがでしょうか。こちらも実際に、現物株の取引終了後にマザーズ時価総額上位企業から株価への影響が大きいとみられる発表があったことで、マザーズ先物の取引が膨らむケースが多く見られます。2020年10-12月期の決算発表シーズンには冒頭ご説明した注目ポイントを参考にして頂き、想定される株価動向にマザーズ先物取引でいち早く対応することもぜひ選択肢としてみてくださいまた、マザーズ銘柄を保有しているものの、夜間に海外で株式市場全体へのマイナス影響が想定されるニュースが出た場合、マザーズ先物を売り建てておくといった活用も考えられますね。

橋本:
なるほど、取引可能な時間の長さが様々な活用につながりそうですね。

小林:
その通りです。最後に「売りからも入れる柔軟な戦略立案が可能」という点についてご説明します。ほかに売りから入れる方法として、代表的なものに信用取引を活用した空売りがありますね。ただ、実はマザーズ銘柄については流動性などの観点から、空売りを行うことは意外と難しいのです。日本取引所グループが空売りをできる条件を満たした銘柄として「貸借銘柄」と呼ばれる銘柄群を定めているのですが、1月21日時点でマザーズ全上場銘柄344銘柄のうち貸借銘柄は68銘柄しかありません。貸借銘柄でないマザーズ時価総額上位銘柄を保有している場合、マザーズ先物を短期的な下落に備えたヘッジ手段として活用することが考えられます。例えば長期的には有望な銘柄なのでまだ持っていたいけれど、成長のための先行投資などで目先の決算は心配、また短期的な株式市場の急変が心配、などといったケースですね。

橋本:
なるほど、マザーズ先物を活用するメリットがよくわかりました。2021年のマザーズ市場もまだまだ動向が注目され、マザーズ先物ならではの活用術は広がりそうですね。ここまでご清聴頂きありがとうございました。皆様もぜひマザーズ先物を活用してみて下さい。



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情報提供元:FISCO
記事名:「2020年のマザーズ概況と今後の展望 vol.5