以下は、2021年1月にフィスコマーケットレポーターの橋本 真依氏とフィスコの株式アナリストである小林 大純氏が、対談形式にて「マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略」ついて解説したものである。全5回に分けて配信する。

橋本:
それで2020年、マザーズ指数は日経平均を上回る大きな上昇となったわけですね。では10月以降はこうした環境がどのように変化したのでしょうか?

小林:
はい、11月にはアメリカの大統領選挙という大きなイベントがありました。接戦が予想されましたが、結果的に民主党のバイデン氏が勝利し、政権交代が実現することとなりました。バイデン新政権は積極的な財政支出に舵を切るとみられています。また、このころ新型コロナウイルスのワクチン開発進展を伝えるニュースが相次ぎ、実現への期待が高まりました。金融環境に目を向けると、主要中銀の政策に変更はなかったものの、景気回復への期待や政府債務の増加を巡る思惑から、米国などで長期金利の上昇が鮮明となりました。つまり、新興株の優位を支えていた状況に変化が生じ、これまでコロナ禍で株価低迷していた銘柄の反発期待が高まる一方、新興株には利益確定売りが出たのです。

橋本:
注目されたアメリカの大統領選挙などをきっかけに、株式市場の状況も大きく変化したのですね。それでは今後の動向についてですが、気になるのはこのまま新興株の人気が終わってしまうのかということです。小林さんはどのようにみているのでしょう?

小林:
はい、私は中長期的な観点から新興株の魅力が後退してしまったとは考えていません。その理由を2つほど挙げてみましょう。まず第1に、コロナ禍を受けた企業のデジタル化投資やECの利用拡大は決して一時的なものではなく、長期にわたり継続してIT・インターネット関連企業の成長に寄与すると考えられます。企業のデジタル化は感染予防目的にとどまらず、生産性向上などの面からも重要視され、政府は2021年9月にデジタル庁を新設するなどしてこれを後押しする構えです。また、日本は商取引全体に占めるECの比率が主要国と比べ低く、EC市場の伸びしろはなお大きいと言えます。「コロナ禍はこれまで生じていた社会変化を加速させたに過ぎない」と指摘する識者もおり、この観点に立てば、いわゆる「ニューノーマル(新常態)」に関連したIT・インターネット関連企業は息の長い成長が期待できそうです。

橋本:
確かにコロナ禍が終息してもITやインターネットの利用はまだまだ広がりそうですね。ほかにも新興株が魅力的という理由はありますか?

小林:
はい、第2に主要中銀が当面の間、緩和的な金融政策を維持すると示唆していることが挙げられます。先ほど申し上げたとおり、アメリカなどでは以前に比べ長期金利が上昇しましたが、主要中銀がこうしたスタンスを継続している限り、新興株が金融面からも支えられる構図は続くでしょう。

橋本:
なるほど、新興株の展望はまだまだ明るいと考えてよさそうですね。小林さん、ここまでありがとうございました。次回の動画では、マザーズ企業の決算発表での注目ポイントとともに、マザーズ先物を使った投資戦略についてご説明頂きます。

小林:
はい、ありがとうございました。


—「2020年のマザーズ概況と今後の展望 vol.4」に続く—


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情報提供元:FISCO
記事名:「マザーズ市場2021年の動向と先物投資戦略 vol.3