4日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。米連邦準備制度理事会(FRB)当局者による利上げに慎重な発言で、米長期金利の低下を手がかりとしたドル売りが続く見通し。ただ、売り一巡後は翌日の米国市場の休場を前に様子見ムードが広がろう。

前週末の米中首脳会談で今年前半から続いている両国の通商摩擦の激化はいったん回避され、外為市場では週明け以降、警戒の円買いが後退しつつある。また、中国経済とのつながりが深いオーストラリアやニュージーランドへの懸念は緩和され、オセアニア通貨がドルに対して強含む値動きが目立つ。一方、ドルは引き続き売られやすい。クオールズFRB副議長は前日の講演で「利上げを停止する水準は指標次第」と述べるなど、前週のパウエルFRB議長をはじめ当局者から慎重な見解が相次いだことが背景。そのため、従来の利上げ継続観測は弱まり、米10年債利回りは節目の3%を割り込んだ。

今晩は材料が乏しいなか、引き続き米国の長期金利や株価の動向が手がかりとなりそうだ。10年債利回りがさらに低下すれば、ドル・円は113円を下抜ける可能性があろう。米株式先物も軟調地合いのため、本日反落すればドル・円の一段の下押し要因に。ただ、明日はブッシュ(父)米元大統領の追悼記念に伴い米国の株式、債券市場が休場となるため、ドル売り一巡後は様子見ムードとなりそうだ。一方、ユーロ圏に目を向けると、足元の経済指標から景気回復の遅れが指摘され、ユーロは引き続き買いづらい。また、ブレグジットに関しても不透明感からポンドは売られやすく、欧州通貨がドルを下支えしそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:15 スイス・11月消費者物価指数(前年比予想:+1.0%、10月:+1.1%)
・18:15 カーニー英中銀総裁が議会公聴会出席(ブレグジット関連)
・18:30 英・11月建設業PMI(予想:52.5、10月:53.2)
・18:30 南ア・7-9月期GDP(前年比予想:+0.5%、4-6月期:+0.4%)
・19:00 ユーロ圏・10月生産者物価指数(前年比予想:+4.5%、9月:+4.5%)
・24:00 ウィリアムズNY連銀総裁対報道機関ブリーフィング
・英国議会でEU離脱合意の審議開始

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情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は下げ渋りか、米金利低下受けたドル売り先行も一巡後は様子見