10日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想する。英国と欧州連合(EU)の離脱条件に関する来週の合意観測でポンドが買われやすく、ドルに下押し圧力がかかる見通し。ただ、英国内での承認に関してはなお不透明であり、ポンド買い一巡後はドルが買い戻されそうだ。

報道によると、英国とEUは15日までに離脱条件などで合意するもようで、18日のEU定例首脳会議で交渉がまとまる見通しとなってきた。協議の進展を妨げているアイルランド国境問題に関する見解の相違についてはなお隔たりがあるとみられ、合意には懐疑的な見方も残る。ただ、期待感は高まり、前日同様、本日もポンド買いに振れやすい見通し。10日のアジア市場で、ポンドはドルや円に対して前日の高値付近を維持している。その影響で、ドルはユーロや豪ドルなど、他の主要通貨に対しても下落基調が続く。また、クロス円は円売り基調を維持しているようだ。

こうしたなか、17時半に発表される英国の貿易収支や鉱工業生産などが注目される。市場関係者の間では、英中銀はブレグジットが終わるまで利上げを見送るとの観測がみられるが、離脱協議の進展に思惑が広がるなか、経済指標が底堅い内容となれば一段のポンド買い材料になる可能性があろう。もっとも合意に至ったとしても、英保守党内では強硬派の勢力がメイ首相との対決姿勢を強めていることを考慮すると、ポンド買いは限定的となりそうだ。そのためポンド買い一巡後にドルは買い戻され、クロス円も失速する見通し。ただし、ドル・円はトランプ米大統領の利上げ批判が重石となりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・8月貿易収支(予想:-108.50億ポンド、7月:-99.73億ポンド)
・17:30 英・8月鉱工業生産(前月比予想:+0.1%、7月:+0.1%)
・20:00 米・MBA住宅ローン申請指数(先週)(前回:0.0%)
・21:30 米・9月生産者物価指数(前月比予想:+0.2%、8月:-0.1%)
・23:00 米・8月卸売在庫改定値(前月比予想:+0.8%、速報値:+0.8%)
・24:30 米財務省3年債入札(360億ドル)
・01:15 エバンス米シカゴ連銀総裁講演(経済と金融政策)
・02:00 米財務省10年債入札(230億ドル、リオープン)
・07:00 ボスティック米アトランタ連銀総裁講演(経済見通し)


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情報提供元:FISCO
記事名:「欧米為替見通し:ドル・円は底堅い展開か、ポンド買い一巡後は買い戻しも