米国労働省はワシントンで12月7日に最新11月の雇用統計を発表する。市場のエコノミストは、非農業部門雇用者数が10月の+25万人に続き前月比+19.9万人を予想している。失業率は3.7%と、10月と同様に1969年12月以降49年ぶり低水準を維持する公算。米国の労働市場が依然堅調であることが再確認されると見られている。

同時に、労働市場がピークをつけたことが示される可能性もある。先行指標の中でも最も雇用統計と相関関係が強いとされる民間部門の雇用者数を示すADP雇用統計の11月分は前月比+17.9万人と予想を下回り8月来で最小の伸びにとどまった。週次の失業保険申請件数も49年ぶりの低水準から増加傾向にある。米国経済の7割が消費が占めるために注目されているISM非製造業の雇用は58.4と、歴史的には高い水準を維持しているが2カ月連続で低下した。全米の製造業動向を示すISM製造業の雇用は58.4と、10月56.8から上昇。

労働市場のピークが確認された場合は、2019年の利上げペースが想定されていたよりも鈍化する可能性が示され、ドルの上値をさらに抑制する可能性がある。

一方で、米中貿易摩擦問題の深刻化懸念が根強く、10月から続いている米国株式相場の急落にもかかわらず、ボスティック米アトランタ連銀総裁は「過熱リスクを判断することは困難、しかし、インフレのコントロールを失うようなリスクを、FRBはとるべきではない」「FRBは失業率が長期にわたり正常な水準を下回ることは過熱の兆候だと判断すべき」としており、FOMCの金融政策の軌道を大きく修正することも困難との見解も存続する。

■11月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計:前月比+17.9万人
(予想:+19.5万人、10月:+22.5万人←+22.7万人)

・ISM製造業:雇用:58.4(10月56.8)

・ISM非製造業:雇用:58.4(10月59.7)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):14.1(10月9.0、6カ月平均14.3)
週平均就業時間:9.2(10月0.2、6カ月平均7.9)

6か月先
雇用:16.6(10月13.0、6カ月平均18.7)
週平均就業時間:6.6(10月2.5、6カ月平均2.2)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):+16.3(10月+19.5、6カ月平均+19.2)
週平均就業時間:+6.3(10月+20.8、6か月平均+15.1)

6か月先
雇用:32.5(10月30.2、6か月平均31.4)
週平均就業時間:19.5(10月17.6、6か月平均15.8)

・リッチモンド連銀製造業景況指数
雇用(現状):11(10月19)
週平均就業時間:11(10月16)
賃金::34(10月28)

6か月先
雇用:32(10月33)
週平均就業時間:11(10月15)
賃金::58(10月59)

・消費者信頼感指数(%)

雇用
十分:46.6(10月45.4、前年同月37.5)
不十分:41.2(41.2、45.7)
困難:12.2(13.4、16.8)

6カ月後の雇用予想
増加:22.8(22.3、21.3)
減少:11.1(10.6、12.1)
不変:66.1(67.1、66.6)

6カ月後の所得
増加:21.5(24.7、20.3)
減少:7.8(8.2、7.6)
不変:70.7(67.1、72.1)

・失業保険申請件数

件数 前週比 4週平均 継続受給者数

12/01/18| 231,000| -4,000| 228,000 |
11/24/18| 235,000| 10,000| 223,750 |  1,631,000
11/17/18| 225,000| 4,000| 218,750 |  1,705,000
11/10/18| 221,000| 7,000| 216,500 |  1,661,000
11/03/18| 214,000| -1,000| 213,750 |  1,671,000

■市場予想
失業率:3.7%(10月3.7%)
非農業部門雇用者数:前月比+19.9万人(10月+25万人)
民間部門雇用者数:前月比+19.8万人(10月+24.6万人)
平均時給:予想:前月比+0.3%、前年比+3.1%(10月+0.2%、+3.1%)

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情報提供元:FISCO
記事名:「NYの視点:米11月雇用統計:雇用の伸びに陰りも、2019年の利上げペースに影響も