白鶴酒造株式会社と株式会社ペプチド研究所は、清酒製造において重要な品質指標となる米麹の酸性プロテアーゼ(Acid Protease:AP)について、従来の測定方式である標準法よりも、操作が簡便で、反応時間を1/3以下に短縮して測定できるキット(製品名:酸性プロテアーゼ測定キット)を開発しました。この製品は、富士フイルム和光純薬株式会社から2020年10月29日に発売しました。
麹菌Aspergillus oryzae(A. oryzae)の4つの酵素(AP、グルコアミラーゼ、α-アミラーゼ、酸性カルボキシペプチダーゼ)の活性は、清酒の原料である米麹の重要な品質指標です。特にAPは清酒の味わいに影響し、また原料利用率の指標となりますが、AP以外の3酵素と異なり、簡便な測定キットが市販されていません。APのみ従来の煩雑な標準法で分析する必要があることから、日常的な醸造管理への導入は敬遠・省略されてきました。
AP活性の測定と管理ができるようになれば、醪の発酵(健全な糖化)と酒の品質(味わい)をより正確に管理できると期待されることから、簡便なAP測定キットの開発は清酒醸造への有用性が高く、実用化できれば清酒業界や麹菌研究の発展に貢献できると考え、ペプチドに関する高い技術力と実績を有する株式会社ペプチド研究所(https://www.peptide.co.jp/)と共同開発を行いました。この成果として、麹菌A. oryzaeのAPに対して基質特異性が高い合成ペプチドを開発して応用することで、従来法よりも簡便かつ短時間で分析可能なAP測定法を確立しました。
この測定法では、標準法のような分析都度の基質溶液の調整や透析などの煩雑な操作が不要で、混合と加熱のみの3ステップ(酵素反応・失活反応・発色反応)です。また分析に必要な各反応時間の合計も、標準法の90分から25分に短縮し、さらに測定値は標準法との相関性が高いことを確認しています。


<測定方法>


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<標準法との相関性>


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この測定法は2018~2019年度の日本醸造学会大会で発表し、特許も出願中です(特許:特開2020-45297)。また、測定法開発に関する学術論文は、生物工学の進歩に寄与したと評価され、2020年度日本生物工学会論文賞を受賞しました。今後も、当社技術の実用化を通じて清酒製造技術の向上に貢献してまいります。
・論文タイトル「麹菌Aspergillus oryzae 由来 酸性プロテアーゼの新規測定方法の開発」
(生物工学会誌 第97巻 第4号 167-172. (2019))
・日本生物工学会ホームページ  https://www.sbj.or.jp/


■製品概要
製品名:ペプチド研究所 酸性プロテアーゼ測定キット
容量:50回測定分
参考小売価格:27,000円(消費税別)
発売元:富士フイルム和光純薬株式会社
製造元:株式会社ペプチド研究所
商品サイト https://labchem-wako.fujifilm.com/jp/category/02016.html


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<測定原理>


基質溶液に含まれる合成基質HAP-01が、酸性プロテアーゼによって分解されます(酵素反応)。pH調整液を加えて煮沸すると酸性プロテアーゼが失活し(失活反応)、同時に、酵素反応で生じたHAP-01断片ペプチドから4-ニトロフェノールが遊離します。その際、酵素反応しなかったHAP-01からは4-ニトロフェノールは、ほぼ遊離しません。さらにpH調整液を加えたアルカリ条件下で4-ニトロフェノールを発色させた後(発色反応)、波長400 nmの吸光度を測定し、換算式により酸性プロテアーゼの活性値を求めます。


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【製品の販売に関するお問い合わせ先】
富士フイルム和光純薬株式会社
TEL:0120-052-099
E-mail:ffwk-labchem-tec@fujifilm.com






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情報提供元:@Press
記事名:「特許出願技術により、簡便で迅速に 米麹の酸性プロテアーゼを測定できるキットを開発