■お互いの利益が一致

 

都内に家があるため、就職してからも実家住まいを続けているタカオさん(43歳)。30歳のときに結婚を考えたこともあるのだが、煮え切らずにいたらフラれてしまった。それ以来、結婚は重視しなくなった。


「うちは早くに父が亡くなり、妹は8年前に結婚して遠方に行ってしまったんですよね。母ひとりで一軒家に住んでいるのももったいないから、家を売ってマンションを2世帯分買って引っ越さないかと提案したことがあるんです。すると母は、家は手放したくないと。僕自身はマンションを購入できるだけの貯金もありませんから、実家にいるしかなかったんです」


ところが実家住まいというだけで、特に女性からは奇異な目で見られることがある。結婚を重視していないとはいえ、タカオさんは恋愛したいしパートナーはほしいと思っているのだ。

 

「合コンなどにもときどき行きますけど、プライベートな話になると、友人が『コイツはいまだに実家でお母さんと暮らしてるんだよ』と茶々を入れ、いいなと思っている女性に誤解されてしまうことが多くて。母と暮らしているのは本当ですが、別に身の回りの世話をしてもらっているわけでもごはんを作ってもらっているわけでもないんですよ」


母とは同居人のような距離感だという。洗濯も掃除も料理も、それぞれがやりたいようにやる。タカオさんは平日はほとんど家で食事をとらないし、休日も趣味のフットサルなどで出かけることが多い。

 

「ただし、母に用があってどうしても電車で行くのは不便な場所だったりしたときは車を出す。家賃を払う代わりに、それが母の望みだったので。たとえばお墓参りとか母の仕事の関係で荷物が多いときとか。月に1回あるかないかのことなので、それほど手間ではありません。たまには母とドライブも悪くないしね」

 

母は今も華道を教えており、たまに開く展覧会のときは荷物が多いので送り迎えをするそうだ。70代にして闊達な女性なのである。自立した母と息子なのに、世間は母親と暮らす息子というだけである種のイメージをもって見てしまうのだろう。

 

 

■父とふたり暮らし

 

病気がちな父親と暮らしているのは、ヒロカズさん(47歳)だ。70代後半の父親は最近、めっきり弱ってきたから、今さら父を置いて出ていくわけにもいかないという。

 

「かといって結婚してここに住んでもらうのも気まずいし。だから結婚できないんですよね。ただ、本当に介護が必要となったら、父には施設に行ってもらって家は売る。そういう話になっています」


ここ10年ほど恋愛からも遠ざかっているヒロカズさん。実は結婚相談所にも登録している。とはいえ、つきあう段階で「病気がちな父親とふたり暮らし」というプロフィールは、どうしても女性からは避けられてしまうそうだ。


「条件ありきの結婚相談所では、とても不利ですね。たまたまスポーツジムで知り合った女性と友だちづきあいをしていて、もしかしたら好意をもってくれているかもと思っていたんですが、その話をしたとたん、彼女も少しよそよそしくなりました。僕は恋愛さえできないのかと愕然としましたけどね」


親を邪魔にせず、一緒に住んでいるのは彼の優しさだと思うのだが、そういう面を評価してくれる女性は少ないようだ。少子化と親たちの高齢化をめぐって、独身男性はますます増えていくことになるのではないだろうか。
 

情報提供元:citrus
記事名:「「40代で実家暮らしってやはり印象が悪い?」恋愛ができなくなってしまった40代独身男性の独りごと