日本であれば、ほぼすべての人が、それも毎日お世話になるのがトイレットペーパーです。みなさんは、トイレットペーパーをどのように選んでいますか? 値段でしょうか、それとも肌ざわりでしょうか? 最近は、より高付加価値なトイレットペーパーが売れているようですね。それはなぜなのかを考えてみたいと思います。

 

 

■排泄の場から癒しの空間へ

 

ここ数十年で家庭のトイレは大きく2つの変化を遂げました。どのような変化かというと、「水洗化」と「洋式化」です。しかもトイレの床は水洗いではなく、シートなどで拭いてきれいにするドライ清掃です。これによって、日常生活におけるトイレ空間は、リビングの延長線上にあるような癒しの空間に仲間入りしたのだと思います。

 

この変化は、排泄という行為においても重要です。なぜなら、便意は自律神経の中でも副交感神経が優位になるときに起きる傾向にあります。つまり、リラックスできる空間こそ、トイレにふさわしいのです。そう考えると、そこで使用するトイレットペーパーの品質も大切です。もしゴワゴワのものだったとしたらトイレに行くのが嫌になってしまいますからね。

 

ちなみに、トイレットペーパーをつくっている王子ネピア(株)が一般の方々を対象にトイレットペーパーの評価ポイントを調べたところ、最も重視することとしてあげられたのは「肌へのふんわり感」でした。ふんわり感というのは、かなり主観的な評価なので、形に表すことは容易でありません。ですが、難しいからこそトイレットペーパーを製造するメーカーとしては腕の見せどころです。各社は、手ざわり、柔らかさ、滑らかさ、剛性など、あらゆる指標を意識しながら、最高のふんわり感を実現すべくしのぎを削っているのだと思います。

 

 

■ロングロールというニーズ

 

高品質のトイレットペーパーに注目が集まる理由として、もう1つあげられるのがロングロールへのニーズの高まりです。ロングロールというのは、一言でいうと長巻きのことです。ロングロールにすることで、これまでは12ロールだったものが8ロールに納めることができます。ロングロールは、かなり前から存在していましたが、それがなぜいまになって注目されているか気になりますよね。

 

実は、「売る人」「買う人」「運ぶ人」のみんなが喜ぶ理由があったのです。

 

まずは「売る人」について。小売店にとっては同じ価格であれば、より多くの商品を店頭に並べられる方が収益アップにつながります。つまり、12ロールよりも8ロールのロングロールタイプの方が好まれるのです。同じ棚にたくさん陳列できますからね。

 

つぎは、「買う人」について。今の時代は共働き世帯が多いので、買い物の回数はできるだけ減らしたいし、トイレの収納スペースはそれほど大きくないため、トイレットペーパーはコンパクトなものがいい、という要望もあります。これらの点でも、8ロールのロングロールは好まれます。

 

最後は「運ぶ人」、つまり物流業です。物流業界は人手不足ということもあり、トラックに効率的に積み込んで運ぶことが必要になります。その方が環境的にもグッドです。よって、8ロールのロングロールは物流においても優位なのです。

 

このように、トイレ空間やライフスタイルの変化が、より高品質で効率的なトイレットペーパーを求める理由だと考えます。また、ニーズの多様化が進むことで、前述の手ざわり、柔らかさ、滑らかさ、剛性などを数値化して、トイレットペーパーのクオリティを10段階のグレードに分ける、なんてことになるかもしれません。これは化粧品や嗜好品の域に達しつつあるのではないでしょうか。そう考えると、高付加価値のトイレットペーパーへのリピート率が高いのも理解できます。

 

これからのトイレットペーパー開発は、ふんわり感の追究はもちろんのこと、ストレス軽減や便秘解消など、新たな価値が生まれる可能性があります。そう考えると、ワクワクしますね。

 

そんな未来をイメージしながら、まずは現状のトイレットペーパーを、手ざわり、柔らかさ、滑らかさ、コンパクトさなど、自分なりの評価指標を用いて厳選してみるというのはいかがでしょうか?

 

トイレットペーパーの品質や技術に関しては、「うんちはすごい!」で詳しく説明していますので、そちらもぜひご覧ください。

情報提供元:citrus
記事名:「一度使ったらやめられない…! なぜ今、トイレットペーパーが高級化しているのか