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「レーヨン」というと聞き慣れた洋服の素材だと思いますが、洗濯するときにどんなことに気をつけたらいいか知っていますか?実は様々な素材の中でもとても繊細で、扱い方次第では縮みや痛みが出てくるレーヨン。素材が持つ特徴から洗濯する時のコツまで解説します。

レーヨンはどんな生地?

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レーヨンは綿やウールのような天然繊維ではなく、19世紀の終わり頃に高級品だったシルクの代用品として誕生した世界最古の人工繊維です。

「人工」という名前はついていますが、天然植物由来(セルロース)の原料を化学薬品によって再生させた「再生繊維」なので、埋めれば土に戻ります。ただ、紙の原料と同じパルプを使用しているため、水には非常に弱いのが最大の難点。

以前は主に洋服の裏地として使用されていたレーヨン。最近では“とろみ”質感のファッションが人気のため、光沢があり綺麗なドレープが出るレーヨンはブラウスやワンピース、スカートなど幅広いアイテムに使われる素材となっています。

価格も安く、ファストファッションの洋服にもよく使われているのですが、水に弱く縮みやすいことからレーヨン100%の場合は水洗い不可、もしくは手洗いマークが付けられています。そのため、ウールやシルクよりもずっと洗うのが難しい素材だといわれることもあります。

生地の長所・短所

扱いにくい印象のレーヨンですが、他の生地と比べると、その特徴は下記のとおり。

【長所】

  • 肌に沿うような、なめらかな肌触り
  • 吸水性に優れていて、夏でもサラリと着ることができる
  • 繊維が柔らかくドレープ性に優れている
  • 色鮮やかに染まる
  • 静電気が起こりにくい

【短所】

  • シワになりやすい
  • 水に弱く縮みやすい
  • 水ジミができやすい
  • 毛羽立ちが起こりやすく、白化(色落ち)する
  • 乾きにくい
  • 汚れやすく、汚れが取れにくい

レーヨン生地を取り扱う時の注意点

レーヨンの生地は吸水性があるため汗をかいてもサラリとした触感。そのおかげで夏は涼しいというメリットがありますが、じつは吸水性がよいというのは使い方次第ではデメリットにもなります。一つは水分を多く含むため、部屋干しでは乾きにくいということ。そしてもう一つは使い方次第で汗冷えの原因になることです。

着ている間に汗を吸っても放出しにくく、暖房などで汗をかいた後に寒い室外に出ると、繊維内の水分が冷えて風邪をひいてしまう危険性があるのです。

ヒートテックの暖かさはレーヨン のおかげ!?

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私たちが身近に着用するレーヨン素材のものの中にユニクロのヒートテックがあります。薄手なのに暖かく着膨れしないインナーとして、日本の冬の風景を変えたとまで言われるほど。

今では冬の定番衣類になっていて、誰でも一枚は持っているのではないでしょうか。実は、その暖かさを感じる機能にもレーヨンは重要な役割を担っています。

ヒートテックの暖かさの秘密は「吸着熱」

吸着熱とは、人が発した水蒸気を利用して発熱する現象をいいます。これはヒートテックに限らず、あらゆる繊維でも起こる現象なのですが、ここで注目すべきは肌に密着すると暖かさを感じやすい「マイクロアクリル」という極細繊維も取り入れているところ。この極細繊維が体にぴったり密着して暖かさを保ちます。

アクリルやポリエステルは吸水性が低いので、素材にレーヨンを加えて吸水性を上げ、人の発する水分によって暖かく感じるようにしているのです。

ただ・・・先ほどいったようにレーヨンは大量の汗を吸水し、放出しにくいので一部の環境には向きません。部屋の中は暑いくらいに暖かく、外が極寒という北海道では、あまりヒートテックを着ないそうです。また、大量の汗をかくスポーツの場面でも不向きですね。

レーヨンの生地は「縮む」?

レーヨンはコットンよりも吸水力がよい反面、水を吸水しすぎて繊維が膨張し、縮みやすくなってしまいます。

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繊維膨張のイメージ

水につければつける時間が長くなるほど縮んでしまう繊維なのです。

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こちらはレーヨンをおしゃれ着用ではない洗濯洗剤を使って洗濯機で洗ったものです。洗う前にマジックで印をつけたところが本来の布の大きさなのですが、随分縮んでいるのがわかりますよね。

水に弱いレーヨンを失敗なく洗うためには、水につける時間をいかに少なく済ますかが大切になってくるのです。

洗濯するときの注意点

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レーヨン100%の衣類を洗濯する場合は、基本的に洗濯機を使いません。どうしても水に浸かる時間が長くなってしまうからです。

アクリルとウールの混紡など他の素材が混ざっている場合は洗えるものもありますが、「手洗い」になっているものがほとんど。ごく稀に洗濯機で洗えるものもありますが、普段よりも少し手間がかかります

洗濯機で洗う時の注意点

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まず、洗濯ネットは目の細かいものを選択するようにしましょう。汚れ落ちは悪くなりますが、洗濯による衣類へのダメージを減らすことができます。デリケート衣類ほど目が細くて厚みのある洗濯ネットを選びます。

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ネットごと洗濯機に入れて、洗剤を投入します。洗濯洗剤は必ずおしゃれ用洗剤にしてください。筆者のおすすめはLION「アクロン」。

以前、実験した時に、おしゃれ着用洗剤の中で、もっともレーヨンの縮みや型崩れの度合いが小さい結果となったからです。

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洗い方

ウールが洗えるコースで洗いましょう。表示の仕方はメーカーによって違いますが、「ドライコース」や「おしゃれ着コース」などと記載されています。

脱水は高速回転に入ってから長くても1分。できれば30秒くらい。特に指定がない場合は、シワにならないようにハンガーにかけて陰干しです。指定があれば、それにしたがいましょう。

「ウォッシャブルレーヨン」なら問題なく洗える!

最近はウォッシャブルレーヨンと名のついた商品も出回っています。基本的には生地が水をあまり吸わないようにウォッシャブル加工されたものと、縮みにくい素材と掛け合わせた混紡のもののどちらかになります。

ウォッシャブル加工されたものは価格が高くなりがちで、洗濯表示マークの注意書きのところに「加工」の有無が書いてあります。混紡のものはとくにウォッシャブルと書いていないものも多いですが、洗濯表示マークをみると水洗い可のマークが書いています。


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どちらも絶対に縮まない保証はありませんのが、自宅で洗う場合は注意が必要です。

洗濯機で洗うよりも、手洗いのほうがダメージは少ないです。手洗いと聞くとハードルが高くなりそうですが、実はそれほど難しくはないんですよ。

手洗いする時の注意点は?

【洗剤】 使用する洗剤は “中性のおしゃれ着用洗剤”です。

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容器に水をはり、規定量の洗剤を溶かしておきます。もし、汚れがひどい場合は、汚れに洗剤の原液を染み込ませて馴染ませます。

【洗う】洗う衣類を洗剤液につけて、1〜2分ほど押し洗い

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【脱水】 洗濯機に入れて高速回転に入ってから長くて1分、できれば30秒ほどで取りだします。

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【すすぎ】 容器にキレイな水を入れ直し、泡が出なくなるまで濯ぎます。1分以内が好ましいです。

【脱水】 洗濯機に入れて高速回転にはってから30秒〜1分。薄手のものの場合は、洗濯機を使わずにバスタオルを広げ、そこに衣類を乗せて巻き込むように脱水します(タオルドライ)。

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干すときの注意点は?

レーヨンは色あせしやすいので、日光に当たらないようにハンガーにかけて干します。デリケート衣類なので、平干しの方がいいのは?と思うのですが、レーヨンはとにかくシワになりやすのと、できるだけ早く水分を抜きたいので、洗濯表示に指定がなければつり干し。指定があれば指定に従ってください。

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洗濯表示はこのマークを見て

シワがついてしまったら?

干し終わったレーヨンはごわごわした手触りで、シワにもなりやすいですが、アイロンをかけると繊維が伸びて、再びさらりとした気持ちの良い質感に戻ります。

アイロン表示は、ほとんどが中温になっていると思います。当て布をしてアイロンをかけましょう。少し縮んだ場合もアイロンである程度伸ばすことができます。アイロン台に縮んだ衣類を洗濯バサミなどを使って固定し、引っ張りながらアイロンをかけましょう。

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数センチなら修復可能。諦める前にお試しください。

保管する時の注意点

レーヨンは湿気があると水分を吸って縮みます。保管していたら、いつの間にか縮んでいたというのは湿度が高いから。保管する場合は、除湿剤を一緒にいれると安心です。

また人工繊維でありますが、原材料は木製パルプで天然素材です。ウールほどではありませんが、虫に食われてしまう可能性のある素材なので、防虫剤も入れておいたほうが安心ですよ。

まとめ

レーヨンという繊維は吸水力があり、夏でもサラサラと気持ちよく着用することができますが、同時に吸水力があるばかりに縮んでしまいやすい素材といえます。

洗う際は、とにかく短時間で洗うことが大切になってきます。ただおしゃれ着用洗剤は洗浄力がそこまで高くありません。汗が少しついたくらいなら大丈夫ですが、食べこぼしなど落ちにくい汚れがある場合は、プロにお任せしましょう。

アクリルやポリエステルなどとの混紡が比較的洗いやすいので、購入の際は品質表示をお確かめの上、お買い求めください。

情報提供元:トクバイニュース
記事名:「実は意外と繊細!レーヨンの特徴と正しい洗濯方法