新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の日本の対策について、広告マンガ制作を手掛けているつかはらゆきさんが、専門家会議の内容や厚生労働省のクラスター対策班の設置などをわかりやすく説明したマンガをTwitterに公開しています。医療専門家が書いたものでも、監修を受けたものでもありませんが、「わかりやすい」という声が多数寄せられています。


アマビコとアマビエの二人が「COVID-19に対して日本がやっていること」を学んでいくこのマンガ。まず一般のウイルス対策として、封じ込めに失敗した際は集団検疫をするしかないが、人口の4~6割が感染して集団検疫しても、単純計算で12万人もの死者が出ると説明します。

次にCOVID-19の感染拡大の特徴として、インフルエンザと比較して5人に1人が他者に感染させるということがあるとし、感染が起きた集団を「クラスター」として、集団感染との違いがあることを示しています。そのクラスターが次のクラスターを生み出すことを防ぐのが、日本の基本方針(クラスター対策班の設置)としています。

だからといって、感染させる2割を見つけ出せばいい、という単純の話ではなく、「クラスターを起こしている人が今のところどんな人かは分かっていない」というアマビコ。「じゃあ防ぎようがないじゃない!」と泣くアマビエに、クラスター感染が限られた場所でしか発生しないといい、換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接空間の「三密」が条件だとしています。

2020年3月9日の専門家会議で、「クラスターの早期発見・早期対応」「患者の早期判断、重症者への集中治療の充実、医療提供体制の確保」「市民の行動変容」という見解が出されています。全ての感染をなくすのではなく、死者を増やさないために、前述の「三密」を回避する行動をひとりひとりが取ることが大事になってきます。

現在、孤発例(感染源のわからない感染者)が増えており、クラスターの連鎖が完全に掴みきれていません。クラスターを見逃して、知らぬ間に感染が拡大すると爆発的に増加し、「オーバーシュート」と呼ばれる事態になり、医療崩壊の危機が迫ってきます。

また、海外からの帰国者が陽性反応になるケースも増えており、第二波が来ているのが現状。マンガでは「危機感が伝わっていない」として、オーバーシュートを起こさないために「徹底的に3つの条件の場所を避けるんだ。それが唯一できること、なんだ」と結んでいます。

中澤港神戸大学教授が「スタンスも含め素晴らしいです」と称賛し、北海道大学の西浦博教授が「感涙」、北海道科学大学岸田直樹客員教授が「クラスター班がマンガに!」とコメントするなど、医療関係者からも反応が相次いだこのマンガ。

つかはらさんは、マンガを描いたきっかけとして吉峯耕平氏の『note』(「専門家会議の「クラスター対策」の解説 ――新型コロナウイルスに対処する最後の希望」)を読んだことを挙げ、「面倒な話をそれなりに理解できるあなたは、間違いなく国民の平均よりコロナウイルスを、クラスター対策を理解しています。“知識のクラスター感染”を担うことができるかもしれません」という一文に感動して「自分もこの“知識のクラスター感染”の中心となるべく得意の漫画にまとめて発信することを決めました」といいます。

また、「誰かに監修を依頼することもできないため、誤解がうまれないかや間違った情報になっていないか、何度も厚生労働省のサイトの情報を確認し、専門家会議の会見を見直して細心の注意を払いました」と正誤の検証がほぼ不可能だったことに苦労したといい、「わかりやすいといくつもリプライいただき、これ以上嬉しいことはありません。自分が専門家ではないことが、逆に同じ目線で語れたのかなと思っています」と語ってくれました。

「これを見てより分かりやすく伝える漫画がコミュニケーションとして良いと感じてもらえたら、嬉しい限りです」というつかはらさん。より多くの人に新型コロナ対策について理解してもらうためには、こういったマンガや動画というアプローチが有効なのではないでしょうか。

つかはらゆき(note)
https://note.com/yucky_tsukahara [リンク]

※参考 専門家会議の「クラスター対策」の解説 ――新型コロナウイルスに対処する最後の希望(吉峯耕平氏のnote)
https://note.com/kyoshimine/n/n6bf078a369f9 [リンク]

※情報は2020年3月23日時点のもの。2020年3月24日以降に行われた小池都知事会見などの情報は反映されていません。

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情報提供元:ガジェット通信
記事名:「大事なのは「三密」を避ける事! マンガ『COVID-19に対して日本がやっていること』が医療関係者からも「わかりやすい」の声多数