家電量販店で取り扱っておらず、基本的にはPCショップやネット通販で入手できる「TS抜きチューナー」という機材があります。B-CASカードは付属しておらず、設定する際に必要なソフト類もネット上から集めなければなりません。地デジ化以降、録画マニアが愛用しているTS抜きチューナーとは何なのでしょう。

デジタル放送の厳し過ぎるコピー制限

2003年12月に地上波のデジタル放送が開始されると、アナログ放送と比べて圧倒的に美しいHD画質に多くのテレビフリークは狂喜乱舞しました。と同時に、話題になったがあまりに厳し過ぎる「コピー制限」です。

放送開始時はムーブのみの「コピーワンス」でした。2008年からは、コピー9回+ムーブ1回の「ダビング10」に少し緩和。現在は、地上波や無料の衛星放送がダビング10、有料放送がコピーワンスです。

ダビング10ならまだしもコピーワンスの場合、ダビングしたディスクに何らかの不具合がおきると、永遠にその番組が見られなくなってしまいます。何度でも自由にダビングして、バックアップを残したいと考えるのは自然な流れでしょう。

そして、2007年に現れたのが台湾製の「Friio」というUSB接続のPC用チューナーでした。家電レコーダーの場合、HDDに録画する際は放送波に乗っているCCIというコピー制御情報で、ダビング10やコピーワンス状態で保存されます。

TS抜きチューナーが放送業界に激震

しかし、Friioはそんな放送業界のしがらみと関係ない立ち位置で、このCCIを無視した状態で放送データ(MPEG-2 TS)をそのままHDDに保存できたのです。生データゆえ、コピーや編集も自由自在。つまり、コピーフリーの状態です。

これが「TS抜き」と呼ばれるようになり、録画マニアの必須テクニックとなったというわけ。ちなみに、TS抜きチューナーは、スクランブルやプロテクトを解除しているわけではないため、グレーであっても違法性はないということで、放送業界に激震が走ったのは言うまでもありません。

とはいえ、Friioは台湾から個人輸入するかたちでの購入だったため、ユーザーは限られていました。TS抜きチューナーを広めたのが日本メーカーのアースソフトが開発した「PT」シリーズです。2008年に「PT1」、そして翌年後継機となる「PT2」が登場。PCI-Express接続のチューナーカードで、B-CASカードは付属していません。

TS抜きチューナー市場の盛り上がり

それにも関わらず、入荷情報が流れると、東京・秋葉原では争奪戦が繰り広げられました。その最大の理由は、今では当たり前になった多チャンネル録画が可能だったため。地デジ×2、BS/110度CS×2の計4番組の同時視聴&同時録画を実現。その上で、コピーフリーだったのですから、マニアが夢中になったのも分かります。

その後、2012年に「PT3」が発売されると、TS抜きチューナー市場の盛り上がりは最高潮に。2016年に生産終了となりましたが、その性能の高さからいまだに需要は高く、Amazonなどではプレミア価格にて取引されています。

そして、現実的なところでは、これからTS抜きチューナーを購入するならPLEX製品。PT3の生産終了後も定期的にコツコツと新製品をリリースし続けており、豊富なラインアップで展開しています。

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情報提供元:ラジオライフ
記事名:「録画マニア愛用「TS抜きチューナー」って何だ?