毛がない猫たち

スフィンクス

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以前までは毛がない猫といえばスフィンクスが有名でしたが、今では他の猫種との交配などによって新しい種類の毛がない猫も存在しています。正式に登録されているものから、新種なのでまだ正式に登録されていないものまで全9種類のちょっと不思議な毛がない猫を紹介しますね!

スフィンクス

スフィンクス

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毛がない猫の代表と言えばスフィンクスでしょう。スフィンクスの歴史は1966年、カナダのトロントで産まれたヘアレスの子猫から始まりました。「プルーン」と名付けられたこの猫は突然変異で誕生しましたが、同じようなヘアレスの猫を繁殖しようという試みが行われました。

プルーンとは別に、1970年代にアメリカのミネソタ州、カナダのトロントでヘアレスの猫が発見され繁殖の試みがなされました。プルーンの子孫が途絶えてしまったこともあり、現在のスフィンクスの基礎はこれらのヘアレスの猫たちだと言われています。交配に用いられたのはデボンレックスで、一時はカナディアン・ヘアレスと呼ばれていましたが、現在ではスフィンクスとして知られています。

スフィンクスはヘアレスと呼ばれていますが、よく見ると桃のようなうっすらとした産毛が生えているのが特徴です。また、手足の先などにまばらに少しだけ毛が生えている個体もいます。ヒゲはなく、レモン型の目と大きな耳が特徴的です。頭のてっぺんから足先までシワがたくさんあります。成猫の体重は3.5㎏~7㎏ほどだとされています。

スフィンクスは猫らしくなく人間が大好きな性格をしているとされています。人見知りをせずに誰に対しても人懐っこいのが特徴です。好奇心が旺盛で遊びも大好きなスフィンクスは、どちらかというと犬に似ている性格だと言われていて、欧米や日本での人気が高い猫種でもあります。

ドンスコイ

ドンスコイ

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ドンスコイはロシア原産のヘアレスの猫です。1987年にエレーナ・コバレワという女性によって見つけられた猫は「バルバラ」と名付けられ、やがて子猫を産みましたがその中にヘアレスの個体がいました。やがて子猫たちは成長しますが、他の猫たちの毛も抜けて落ちてしまい、やがてみんな母猫と同じヘアレスの猫になりました。

体が丈夫でなかったので処分が検討されましたが、ブリーダーのイリーナ・ネミキナという女性がこれらの独特の風貌を持つ猫たちに惹かれて引き取ることになりました。バルバラが発見された場所の近くを流れている川である「ドン」と、見た目がスフィンクスにそっくりだったことから、ドン・スフィンクスという名で登録されました。

その後他の団体ではドンスコイという名称で登録されるようになりましたが、どちらも同じ猫種のことを指します。スフィンクスに似ていますが、スフィンクスが劣性遺伝なのに対してドンスコイは優性遺伝だという違いがあります。さらにスフィンクスにはヒゲがありませんが、ドンスコイにはヒゲがあります。

ドンスコイの被毛には4つのタイプがあります。ラバーボールドはヘアレスタイプで、フロックドは産毛が生えているタイプです。ベロアは生まれた時に産毛がありますが成長すると抜けるタイプです。そしてブラッシュは柔らかい縮れ毛または巻き毛のあるタイプです。冬の寒い季節に胸や尻尾の先に毛が生えることがありますが、暖かくなると抜け落ちます。

大きなアーモンド形の目が特徴的で、手足の指には水かきがあります。性格は社交的で人懐っこく、犬のようだと言われています。見た目だけでなく性格もスフィンクスに似ていますね。

ピーターボールド

ピーターボールド

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ロシア原産のドンスコイとオリエンタルショートヘアーを交配させて誕生したのがピーターボールドです。実験的な交配が行われたのは1994年のことで、ロシアのサンクトペテルブルグに住むオルガ・マノロワ氏によって4匹の子猫が産まれました。足が長くエレガントな体つきをしているのが特徴的です。マズルが長く、大きくて離れた耳、ピンと立った細い尻尾を持っています。

ピーターボールドはヘアレスとヘアリーのタイプがあり、ヘアレスも全く毛がないウルトラボールド、部分的に毛が生えているフロック・シャモア、薄い産毛が生えているベロアに分かれています。ヘアリータイプは直毛のストレートと、ワイアーヘアが縮れていたり巻き毛だったりするブラッシュに分かれています。

ピーターボールドもスフィンクスやドンスコイのように人懐っこくて愛情深い犬のような性格の猫だと言われています。飼い主のことが大好きで部屋の中をどこまでも追いかけてくることがあるようです。家族やほかのペットとも仲良くできる社交的な性格でもあります。

バンビーノ

バンビーノ

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バンビーノはアメリカのHoly Moly Cattery(ホーリーモーリーキャッテリー)のステファニー&パット・オズボーンの夫婦によって繁殖されるようになった猫種です。マンチカンとスフィンクスの交配によって生まれた子猫をもとに繁殖が行われ、TICAでは実験的品種として登録されるようになりました。また稀少猫種を登録しているREFRでも認定されています。

イタリア系であったパット・オズボーンは、成猫になっても見た目と性格が子猫のようだと言うことでバンビーノ(イタリア語で赤ちゃんの意)と名付けました。

バンビーノはマンチカンのような短い足とスフィンクスのようなヘアレスが特徴で、大きくてレモン型をした目、丸みを帯びた頭に上に大きくてピンと立った耳を持っています。白、黒、ピンク色の皮膚にはシワがたくさんあり、成猫になってもそのままの見た目なのが理想だとされています。短足なのでどっしりとした見た目をしています。

足は短いですが運動神経はよく、猿のように飛び回ると言われることがあります。社交的な性格なので人懐っこく、飼い主に対して愛情深いのが特徴です。

ユークレイニアン・レフコイ

ユークレイニアンレフコイ

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ユークレイニアン・レフコイはドンスコイとスコティッシュフォールドを交配させて誕生した新しい猫種です。ウクライナのブリーダーであるエレーナ・ビリウコウが2000年ごろに繁殖計画を進め、2004年1月に最初のユークレイニアン・レフコイが誕生したとされています。ウクライナ国内とロシアの猫登録団体に公認されています。

世界的に見ると稀少な猫種なので、ウクライナとロシア以外の国では公認されるに至ってはいません。名前のユークレイニアン・レフコイはロシアのカーネーションの名称から取られましたが、これは葉や花弁が折れ曲がっていて、この猫種の耳がスコティッシュフォールドのように折れ曲がっていることと関連付けられました。

ユークレイニアン・レフコイは耳の3分の1くらいが折れ曲がっているのが特徴的ですが、スレンダーで筋肉質な体つきやほぼ無毛の体つきはドンスコイに似ています。性格はフレンドリーで活発だと言われています。人懐っこくて他のペットたちとも仲良くすることができます。

ミンスキン

ミンスキン

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1998年にアメリカのマサチューセッツ州ボストンでポール・マクサーリー氏が作出を開始したのがミンスキンです。マンチカンとスフィンクスが交配に用いられ、足が短くてヘアレスの猫が誕生するようになりました。他にもデボンレックスやバーミーズを交配に用いて、2000年7月に最初のミンスキンが誕生しました。

TICAに登録されましたが、名前の由来は小さいことを意味する「Mini」と皮膚を意味する「Skin」を組み合わせてミンスキンになりました。ミンスキンの被毛は3つのタイプに分かれています。無毛のヘアレスタイプ、顔や耳、尻尾や足に毛が生えているファーポイント、全身に毛が生えているフリーコーテドです。

被毛のタイプによっては別の猫種にも見えます。見た目はバンビーノにそっくりで、性格も社交的で活発です。機敏な動きを見せるとも言われています。

エルフキャット

エルフキャット

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エルフキャットは猫種として公認されるに至っていない新しい猫種です。スフィンクスとアメリカンカールを交配させて誕生したエルフキャットはヘアレスの猫であることと、耳がカーブしているのが特徴です。作出に関わったのはカレン・ネルソンとクリステン・リーダムです。ヘアレスのスフィンクスと耳がカーブしているアメリカンカールの特徴に注目して試みが行われました。

エルフキャットは長くてやや後ろにカーブした耳が特徴的です。耳の先端は尖っています。ヘアレスの猫ではありますが、わずかな産毛が生えていることもあります。筋肉質で運動神経が良く、遊ぶのも大好きです。長くて先が尖っている尻尾をもっていて、その名の通り神話から出てきそうな不思議な見た目をしています。

性格は他の毛がない猫たちと同じようにフレンドリーで愛情深いと言われています。社交性があって他のペットとも仲良くすることができます。寂しがり屋でもあるのでひとりでいるのは得意ではないようです。留守番中に寂しい思いをしないよう、多頭飼いをすることがすすめられています。

ドウェルフ

アメリカ原産のドウェルフはマンチカン、スフィンクス、アメリカンカールを交配して作出された猫種です。バンビーノを誕生させたステファニー・オズボーンが2008年にドウェルフを作出したと言われています。TICAでは実験品種として登録されています。

交配に用いられたそれぞれの猫種の特徴を受け継いでおり、ヘアレスで足が短く、耳がカールしているかわいらしい猫が誕生しました。体重は2㎏~3㎏と小型の猫種で、小型猫を専門に公認しているTDCAに登録されています。

名前は小人を意味するDwarf(ドワーフ)と妖精を意味するElf(エルフ)を組み合わせたものです。小型猫であること、大きな目とカーブした耳が妖精のようであることからこのように名付けられました。マンチカンとスフィンクスを交配して作出されたミンスキンにも外見が似ています。

足と額と肩にシワがたくさんあり、スエードのような手触りの肌をしています。完全に毛のないものから薄く産毛が生えているタイプがいます。細くて先細りになっている尻尾の先端に毛が生えていることもあります。目はアーモンド形をしていてほお骨が突き出ているのも特徴です。ヒゲがある個体もいますが、短いまたはヒゲがない個体もいます。

性格は他の毛がない猫と同じように社交的で人懐っこいと言われています。短足ですが活動的で遊ぶのが大好きです。人間といることが大好きなので、人に依存すると言われることもあります。犬のような猫だと言われ、子どもと遊ぶことも問題ありません。

アポストロ

スフィンクスの系統の猫とスコティシュフォールドなどを交配して作出された新しい猫種がアポストロです。日本人が繁殖に携わったようですが、情報はそれほど多くありません。毛の生えている子猫も生まれてくるようですが、アポストロの遺伝によって他のアポストロと交配させるとヘアレスの子猫が産まれてくるようです。

まとめ

毛がない猫を全9種類紹介することができましたがいかがでしたか?スフィンクスとドンスコイが主なヘアレスの猫となり、その他の猫種はいずれかの猫種を他の猫種と交配させて作出したものだということがわかりました。どの猫種も犬のようにフレンドリーで人懐っこいことがわかりましたね。賢くて性格がいいのであればぜひ飼ってみたいと思いますよね。

毛がない猫はどれも肌がデリケートなので飼育方法に気をつけなくてはいけません。直射日光にあたることがないようにしたり、寒さに弱いので室内温度に気をつけたり洋服を着せてあげたりする必要があります。また、肌が露出しているのでケガには特に注意しなければなりません。ブラッシングは必要ありませんが皮膚のケアは必要ですね。

猫アレルギーになりにくいということでペットとして注目されてもいる毛のない猫、紹介した全9種類が日本国内で手に入るわけではありませんが、スフィンクスやドンスコイのようなメジャーな猫種のブリーダーは国内にもいるので、ぜひ連絡を取ってみてくださいね!

情報提供元:mofmo
記事名:「【ヘアレスキャット】毛がない猫の種類9選!